No.88

 「ああそのとおり、そのとおり」とグリフォンもためいきをついて、生き物は両方とも顔を前足でおおってしまいました。

 「じゃあどういう時間割(じかんわり)になってたの?」アリスはあわてて話題を変えようとしました。

 「最初の日は十コマあるのよ」とにせウミガメ。「つぎの日が五コマ、そのつぎは三コマってぐあい」

 アリスはびっくりしてしまいました。「ずいぶんへんな時間割(じかんわり)ねえ!」

 「え、そのまんまじゃん。時間を割ってるんだよ。日ごとに割ってくわけ」とグリフォン。

 これはアリスにしてみれば、なかなか目新しいアイデアでしたので、口をひらくまえに、よっく考えてみました。「じゃあ、十日目には一コマだけだったはずね?」

 「もちろんそのとおりよ」とにせウミガメ。

 「じゃあ、十一日目からあとはどうしたの?」アリスはねっしんにつづけます。

 でもグリフォンがきっぱりといいました。「時間割(じかんわり)はもうたくさん。こんどはこの子に、おゆうぎの話をしてやんなよ」

 


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