No.1
-巻頭詩-

 

それは黄金の昼下がり
気ままにただようぼくら
オールは二本ともあぶなげに
小さな腕で漕がれ
小さな手がぼくらのただよいを導こうと
かっこうだけ申し訳につけて

 ああ残酷な三人!こんな時間に
こんな夢見る天気のもとで
どんな小さな羽さえもそよがぬ
弱い息のお話をせがむとは!
でもこの哀れな声一つ
三つあわせた舌に逆らえましょうか?

居丈だかなプリマがまずは唱える
その宣告は「おはじめなさい」
 すこし優しげに二番手の希望
「でたらめをいれること」
そして三番手が語りをさえぎること
一分に一度以上ではないにせよ

すぐに、とつぜんの沈黙が勝り
想像で彼女らが追いかける
夢の子が奔放で新しい謎の地を
動き回るのを追って
鳥や獣と親しく語る――
そしてそれを半ば真に受け

 


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