No.2
-巻頭詩-

そしてやがて、お話が渇えると
そして疲れた語り手が
肩の荷をおろそうとすれば
「つづきはこんど――」「いまがこんどよ!」
と声たちがうれしそうにさけぶ。

かくして不思議の国のお話がそだち
ゆっくり、そして一つ一つ
その風変わりなできごとがうちだされ――
そして今やお話は終わり
そしてみんなでおうちへと向かう
楽しい船乗りたちが夕日の下で

アリス! 子どもじみたおとぎ話をとって
やさしい手でもって子供時代の
夢のつどう地に横たえておくれ
記憶のなぞめいた輪の中
彼方の地でつみ取られた
巡礼たちのしおれた花輪のように

 


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