No.21


「すごくきれい、みたい」と読み終わったアリスは言いました。「でもちょっと わかりにくいけど!」(ほら、アリスは自分自身にむかってでも、いまの詩がまる っきりわからなかったと白状するのはいやだったわけね。)「なぜだか、いろんな 考えで頭がいっぱいになるんだけど――でもそれがなんだか、どうもわかんない わ! だけど、だれかが、なにかを殺したのよ。それだけは、なにはともあれはっ きりしてるわ――」  「あ、でもそうだ!」とアリスは急に気がついて飛び上がりました。「急がない と、家のほかのところがどうなってるか見ないうちに、鏡を通って戻らなきゃなん なくなる! まずはお庭を見てみようっと!」アリスはいっしゅんで部屋を出る と、階段をかけ下りました――というか、まあ正確には走っておりたわけじゃなく て、階段を急いで簡単におりる、新発明のやり方よね、とアリスは自分でも思いま した。指の先っぽだけを手すりにつけて、階段に足でふれさえしないで、ふわふわ 静かにおりていったわけです。それからふわふわと廊下をぬけて、そのままドアを 出てしまいそうになったところを、入り口の手すりに捕まっておさえます。宙に浮 いてばかりいて、ちょっとくらくらしてきたところだったので、またふつうに歩け るようになってアリスはかなりホッとしました。


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