No.22

第 2 章 

生きた花のお庭


  「お庭を見るんなら、あの丘のてっぺんにいったほうが、ずっとよく見えるはず だわ。そして丘のてっぺんにまっすぐ向かう道がある――少なくとも、いいえ、ま っすぐしてないわ――」(何メートルか道沿いに歩くと、急なかどをいくつか曲が ることになりました)「でもいずれ着くはずだけど。でもずいぶんと変にクネクネ した道だわ! 道というより、コルク抜きみたい! よかった、このかどを曲がれ ば丘の方にいくはず――ではなかった! 家のほうにまっすぐ戻っちゃうじゃない の! ふん、だったら反対方向を試してみよう」  というわけで試してみました。いったりきたりさまよい、次から次へとかどを曲 がって、でも何をやっても、必ず家に戻ってきてしまいます。なにせ一回なんか、 かどをいつもより勢いよく曲がったら、そのまま止まる間もなく家につっこみそう になったほどです。  「いいえ、議論してもむだよ」とアリスは家を見あげて、それと口論しているふ りをしてみました。「まだまだ中に戻る気はありませんからね。そしたらまた鏡を 通って戻らなきゃいけなくて――もとの部屋に戻って――そしたら冒険もすべてお しまいだわ!」  というわけで、アリスは決然と家に背を向けて、またもや道を進みはじめ、とに かく丘につくまでまっすぐ進もうと決めました。数分はまったく思い通りにことが 運びます。そしてアリスがちょうど「こんどこそいけるわ――」とつぶやいたとた ん、道が急にくねって揺さぶりがかかって(とアリスは後になって表現しまし た)、次のしゅんかんには気がつくと、まさにドアから家に入るところでした。


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