No.7

ロミオがあれこれと思い悩んでいる間、ジュリエットは、自分がひとりであると感じ、「ああ、ああ。」といいながら深いため息をつくのだった。ロミオは彼女がものをいうのを聞いて喜び、彼女に聞こえないようにそっと言った。「もう一度話しておくれ、輝く天使。まさしくそうだ。あなたは人々がうち退いて見つめる、天上からやってきたお使いのように、ぼくの頭上にいるのだから。」

 ジュリエットは、立ち聞きされているとも知らず、先ほどの事件によって生み出された新たな激情に身をまかせて、恋人の名を呼んだ(その場にはいないと思っていたのだ)。

 「おお、ロミオ、ロミオ。」ジュリエットは言った。「どうしてあなたはロミオなの?私を想うなら、あなたのお父さまをすてて、お名前を名乗らないでくださいな。もしそうなさらないなら、私への愛を誓って欲しいですわ。そうすれば、私はキャピュレット家の人でなくなりましょう。」

 ロミオは、これを聞いて勇気づけられ、口を開こうと思ったが、もっと先を聞こうと考えた。

 


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